家族信託の重要人物!!受益者代理人について徹底解説

2021年03月03日

(後半動画はこちら)

 

信託契約において、『受益者代理人』を選任、指定できることをご存知でしょうか?

受益者の判断能力について不安がある、あるいは問題が生じるといった場合、受益者代理人を置くことで、受益者の代わりとなり、権限を行使する形にすることができます。

今回は受託者代理人の選任・指定に関する注意事項と、受益者代理人を指定するタイミングについて解説します。

 

受益者代理人とは

受益者代理人とは、文字通り「受益者」を「代理する者」です。

信託法上は、「代理する受益者の権利に関する一切の裁判上または裁判外の行為をする権限を有する者」と規定されています。

受益者代理人を選任、指定できる旨をあらかじめ定めておく

信託契約において受益者代理人を指定する場合は、信託契約書を作成する際に、受益者代理人を選任、指定する旨をあらかじめ定めておく必要があります。

この受益者代理人というのは、信託監督人と違い、信託契約の中に「受益者代理人を定めることができる」と定めていなければ、代わりに裁判所が選任するという法律上の規定がありません。

つまり、そういった旨の規定が無い信託契約書を作成してしまった場合、いざ受益者代理人を選任したいと思った際には、契約書にその旨の記載が無いために選任することができません。

しかも、代わりに裁判所に選任をしてもらおうと思っても不可能なのです。

したがって、信託契約書を作成するときには必ず、この受益者代理人の選任の規定を入れておくようにしてください。

将来的に受益者代理人を実際に置くかどうかは個々のケースでの検討が必要ですが、そもそもあらかじめ信託契約書に規定を入れておかないと、受益者代理人を選ぶことができないのです。

受益者代理人を選任・指定をするケース

実務上ではどのようなケースで受益者代理人を選任・指定をするのでしょうか。

いくつかありますが、今回は2つお伝えします。

 

・受益者が認知症や後見開始になった場合 

・受益者が未成年や高齢者の場合

 

この2つに共通して言えることは、受益者の判断能力について不安がある、あるいは問題が生じるといった点です。

こういった場合に受益者代理人を置くことで、受益者の代わりとなり、権限を行使する形にするのです。

受益者は判断を必要とする場合が多数ある

ところで、受益者は、信託から利益を受け取るだけではなく、受益者として何か判断を必要とする場合があるのでしょうか。

実は、信託法上、受益者の合意や同意が必要となる事項が結構あるのです。

例えば、下記の3点です。

 

・信託契約の内容の変更

・受託者の辞任、解任

・合意によって信託を終了させる

 

これらは信託の根幹を成すものと言えますので、このような大事な場面において受益者の判断能力が若干怪しいとなると、やはり信託に大きく影響を及ぼしてしまうため、その場合には受益者代理人を選任して受益者に代わって同意したり、合意したりということが必要になります。

受益者の判断能力があるうちは受益者代理人を指定しない

受益者の判断能力があるうちは受益者代理人を指定しない受益者代理人を置く場合において一種のデメリットと言えます。

なぜかと言えば、受益者代理人が指定されると、信託法に定められている一定の権利を除き、受益者の権利行使が制限されることになり、受益者自身が何か判断したくてもそれができなくなるのです。

受益者代理人を置いた以上はその人に任せなさい、ということです。

そのため、受益者がお元気で判断能力に問題が無いうちは、受益者が自ら権利行使できるようにするため、まだ受益者代理人は指定しないほうがよろしいでしょう。

受益者代理人になれない方

最後に、受益者代理人になれない方として2種類、その理由と併せてご説明をします。

 

 1 未成年者

 2 この信託における受託者

 

1は、やはり判断能力が不十分だという点からです。

2は、そもそも受益者というのは受託者を監督するという立場にあるため、監督する側と監督される側が同じであれば、監督機能が働かないことになるからという点です。

まとめ

受益者代理人を選任・指定する際において、重要なポイントは以下の2つです。

 

POINT1 信託契約において受益者代理人を選任、指定できる旨をあらかじめ定めておく

POINT2 受益者の判断能力があるうちは、具体的に受益者代理人を指定しないこと

 

多少わかりにくい部分もあるかと思いますが、こういう制度があるということも、ぜひ知っておくとよいでしょう。