【家族信託×アパマンローン節税】詳しい仕組みと注意点を解説!

2021年02月16日

 

今回のテーマは 【家族信託×節税スキーム①】です。

第1回目は、アパマンローン節税と家族信託を絡めたお話をします。

 

家族信託は節税目的ではやらない

まず注意点として、どんなあらゆる節税も、その節税の目的を持って行えば、それは否認対象となり得ます。

したがって「節税対策になるから家族信託をやりましょう。」とお客様に提案するのは避けるべきでしょう。

あくまで、家族信託の公明正大な本来の目的が先にあり、その信託契約の中で財産管理を行い、結果として節税になれば、それは大きなメリットと言えます。

家族信託とアパマンローンの組み合わせで、結果的に節税につながる

具体例をお話します。

家族構成は、父(88歳)、母、長男、次男です。

父親は土地(駐車場、空き地など)を所有しており、今後、土地活用の必要性を感じているものの、自身は高齢のため積極的に行えません。

そういった場合に、息子(ここでは長男)に管理を任せるために信託をします。

信託すると、土地の名義は長男に変わり、その後は長男の判断で財産の管理・活用がなされます。

この信託による名義変更の時において、贈与税は課税されません。

しかし、父親が亡くなったときには相続税が課税されます。

結局、信託をしてもしていなくても、課税されるタイミングは変わらないことになりますが、信託をした場合は、長男名義にすることにより、長男がその土地を管理・活用できます。

その結果の一つとして、相続税の節税という非常に大きな果実を得ることになるのです。

債務を既存の財産と合算することで、評価の引き下げができる

その方法として、まず、長男が土地にマンションの建築費用として3億円を銀行から借入をします。

これが相続税の節税になるのです。

仮に、父親が借入れた3億円を使わず置いておいたとしたらプラスの財産(現金3億円)とマイナスの財産(借入金3億円)の差はゼロのため、これでは借金をしたからと言って相続税の節税にはなりません。

一方、借入れた3億円をマンション建築の費用にした場合、このマンションの相続税の評価上は、約半分の1.5億になります。(わかりやすくするため、細かい条件などは省略しています。)

そうすると、プラスの財産(マンション1.5億円)とマイナスの財産(借入金3億円)の差によって1.5億円の債務が生じます。

この債務を既存の父親の財産と合算させることで、財産全体の評価の引き下げができます。

「信託内融資」は委託者の債務として計上される

信託の組まれていないケースだと、この借入れは当然、父親自身の借金なので父親がします。

しかし父親はいまや高齢であり、これから先が長くないかもしれない中で、自ら借金をするということはしないでしょう。

ここで信託はもの凄い機能を発揮するのです。

まず、融資する側の銀行は信託をした後、受託者として名義を持つ長男に対して貸付をします。

これを「信託内融資」と言います。

そしてこの借入れたお金でマンション建築をした場合は、既に信託財産となっている土地に加え、その土地上に建築したマンションについても信託財産になります。

また、借入れたお金も信託債務になります。(法律上、「信託財産責任負担債務」といいます。)

そうすることで、長男が借入れをしているにもかかわらず、相続税の計算上は父親の債務として計上できることになります。

この債務が、相続税の節税の効果を発揮するという事になります。

 

「信託内融資」は一部の地銀・信金のみ対応

なお、「信託内融資」はあらゆる銀行が対応しているわけではなく、一部の地銀、信金が対応しています。

通常の融資と違って、かなり高度な内容になるため、対応可能な金融機関と組んで進めていく必要があります。

 

まとめ

家族信託を行ったうえで「信託内融資」を利用することで、この債務と既存の委託者の財産とを合算し、財産全体の評価の引き下げることができます。

これが相続税の節税の効果を発揮します。

ただし、どんなあらゆる節税も、その節税の目的を持って行えば、それは否認対象となり得ます。

家族信託の公明正大な本来の目的が先にあり、その信託契約の中で財産管理を行い、結果として節税になるという事を忘れないようにしましょう。