家族信託に必要な財産目録の作り方

2021年03月30日

「家族信託の契約書を自分で作ってみたい!」

家族信託の契約書をご自身で作成する場合には、様々なことに気を付けなければいけませんが、この記事では、「財産目録」の作り方についてご紹介します。

家族信託を利用する際には、「どの財産を信託するのか」を決めて、契約書に明記する必要があります。

その明記の方法も具体的にお伝えします。

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不動産を信託する場合の財産目録

以下、家族信託の活用で最も多い、不動産を信託する場合の財産目録の書き方について解説していきます。

まずは不動産登記簿を確認する

不動産について、家族信託を利用する場合には、その不動産がどこの不動産なのかがわかる情報を契約書に記載する必要があります。

よく、契約書に不動産の住所を記載する方がいますが、実は住所は、不動産を特定する情報としては適切ではありません。

では、どのような情報を記載すればいいのでしょうか?

土地の場合は、その土地の「所在」と「地番」を、建物の場合は、「所在」と「家屋番号」を記載するのが正解です。

この所在や地番、家屋番号とは、お近くの法務局で、不動産登記簿を取得することで確認することができます。

 

【不動産の特定するために必要な情報】

土地の場合・・・「所在」と「地番」

建物の場合・・・「所在」と「家屋番号」

固定資産税の納税通知書でも確認できる

不動産登記簿をすぐに取得できない場合には、固定資産税の納税通知書を確認すれば、不動産の「所在」や「地番」、「家屋番号」を確認することができます。

固定資産税の納税通知書は、毎年、5月~6月ころに、都道府県から郵送で届く通知書のことで、固定資産税の納税額を知らせるものです。

固定資産税の納税通知書は、役所が税金を課税するためだけに管理をしている固定資産税台帳をもとに作られていますので、その情報が正確でないこともあります。

不動産登記簿で、正確な情報を確認する前に、まずは固定資産税の納税通知書で不動産の概要をつかんでおくということができるわけです。

金銭を信託する場合の財産目録

金銭を信託する場合には、具体的にいくら信託をするのかを決めて、その金額を契約書に記載をします。

金銭 金 100万円 などの表記をするのが一般的でしょう。

 

【金銭を信託する場合の書き方】
金銭 金100万円

 

間違いやすい例として、「○○銀行 普通預金 口座番号~」といった形で、預金口座を信託財産として特定するものが見受けられます。

 

銀行口座を信託することはできない

銀行口座は、銀行が決めたルールにより、「他人への名義変更はできない」という取り扱いになっております。

そのため、家族信託を使って、子が親の預金口座を管理するため、その名義を書き換えることは、できません。

預金を信託したい場合は、銀行口座ではなく、預金をいったん引き出した上で、その金銭を信託するのが正しい方法です。

そのため、金銭を信託する際の財産目録は、金銭 金100万円 のような記載方法となるのです。

一度、信託をした後に、財産を預かった方がその金銭を信託専用の銀行口座に預金して管理しておくことになります。

財産目録を作成するためには、何を信託するのかを決める必要がある。

家族信託を利用するためには、財産目録を作成する前に、「どの財産を信託するのか」を決めなければいけません。

家族信託は、一般的に、信託する財産が増えれば増えるほど、信託をするための費用も上がるため、無駄な費用を支払わないためにも、信託する財産としない財産の優先順位を明確にする必要があります。

 

自宅不動産を信託するかどうかは「不動産を売却する可能性があるか?」を基準に

特に、多くの方が悩むのが、自宅不動産を信託財産に入れたほうがいいのかどうか?という点です。

自宅不動産は、基本的に住むためのものですから、名義人の方が認知症になってしまっても、そこに住み続けることには、法的な問題は一切ありません。

しかし、介護施設に入居するなど、その自宅から引っ越してしまい、売却する可能性があるような場合には、注意が必要です。

売却の時点で、名義人の方が認知症を発症してしまっていると、売却したくてもできないことになってしまいます。

そのため、将来自宅から、引っ越す可能性があり、また、売却するかもしれない時には、自宅も家族信託の対象にしておくとよいでしょう。

まとめ

どの財産を信託するのかを家族信託の契約書に記載する際に、間違った表記をしてしまうと、最悪、信託が無効になってしまうこともあります。

また、どの財産をどれくらい信託すればいいのかを、自分で考えて契約書を作るのは大変な作業です。

経験豊富な専門家であれば、あなたが抱えるそういったもやもやも、的確な質問と、知識や経験を使って、きれいに解決してくれるでしょう。

ご自身で契約書を作られることを考えている場合でも、無料で相談ができる専門家もいますので、一度相談されてみるといいかもしれません。

 

この記事の監修者

司法書士 梶原隆央(かじわらたかひさ)
神奈川県出身
平成21年司法書士資格取得
トリニティグループの信託部門にて、 実家信託から信託財産数億円に及ぶ信託、 自社株式の信託等、幅広く信託案件に対応。

 

 

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