家族信託だけじゃない?資産の認知症対策~金融機関編~

2021年04月05日

皆さんは「認知症対策」と聞いて、何を思い浮かべますか?

「良質な食事・睡眠、適度な運動、それから……」と考えた方、

大正解です。

では、「資産の」認知症対策、と言われたらどうでしょうか?

「当然、家族信託でしょう。」と考えた方、もちろん正解です。

ただ、

「家族信託が後見制度より優れているのは十分理解しました。

でも、家族信託以外には認知症対策に効果があるものってないんですか?」

実はこういうご質問を多く頂きます。

 

・実際、資産の認知症対策としては、結局家族信託するしかないのか?

・家族信託の他に、資産の認知症対策として有効な手段はないのか?

 

今回の記事では、「家族信託」以外で、資産の認知症対策として活用が期待されている制度等についてお話します。

 

資産の認知症対策の目的

そもそも、「資産の認知症対策」であると言われる家族信託ですが、「何を」防ぐことを目的としているのでしょうか。

代表的なものとしては、「預金が凍結されてしまう」リスクを防ぐ目的が挙げられるでしょう。

認知症を発症した親の生活費・介護費用を、本人の預金から支払うことができず、子世代が建替えて払っていかないといけない、

という大きな金銭面でのリスクを回避するための認知症対策ということです。

認知症を発症してから亡くなるまでの期間は、平均して6~7年と言われており、これだけの期間、生活費や医療費等を建替えていくのは

ご家族にとって非常に重い負担となってしまいます。

家族信託を利用される方にとって、「預金の凍結防止」は「不動産の売却」と並ぶ2大目的かと思います。

 

金融機関が提供する「認知症対策」

「預金の凍結防止」という観点でいえば、金融機関も「認知症対策」に焦点をあてた施策を出しています。

数年前からこういった動きはありましたが、令和3年2月18日、一般社団法人 全国銀行協会は、銀行の窓口等において、高齢者やその代理人と金融取引を行う際の指針を改めて正式に発表しています。

しかし、認知症を発症した方との取引においては、顧客本人の財産保護の観点から、まず第一に親族等に成年後見制度等の利用を促すのが原則であると述べています。

そして、実際に代理人が手続きをする場合には、医療費等の支払いなど、本人の利益に適合することが明らかなときに限るといった縛りも設けられています。

つまり、家族信託のように認知症患者の家族が自由に本人のお金を引き出せるということではないのです。

この指針に基づき、各金融機関はそれぞれ施策を出していますが、意思能力の確認のために医師の診断書だけでなく、行員複数名との面談を設けるといった

面倒な手続きが多く設けられているなど、実際のところ、「使い勝手が良い!」と言えるものは現状見当たらない状況です。

ご自身のメインバンクではどのような対策が取られているのか、一度チェックされてみるのが良いでしょう。

 

まとめ

「金融機関による認知症対策」は、これからブラッシュアップされていく部分ではあるものの、現時点ではまだまだ改善点が多くあります。

信託口口座(委託者の金銭を受託者が管理するための口座)を開設できる金融機関はどんどん増えていますし、窓口での対応についても各金融機関の動きは今後も要チェックですね。

とはいえ、現時点では家族信託の方がはるかに実用的であり、まだお元気で意思能力のはっきりした方であれば、後々の融通が効くことを考え、なるべく家族信託を利用しておいた方が良いと言えるでしょう。

家族信託は、イニシャルコストの部分で心配されている方も多くいらっしゃいますが、一度スタートした後はランニングコストは原則かかりません。

まずはお気軽にご相談を頂ければと思います。

シンプルな料金体系で、分かり易くご説明致します。

 

 

この記事の監修者

司法書士 梶原隆央(かじわらたかひさ)
神奈川県出身
平成21年司法書士資格取得
トリニティグループの信託部門にて、 実家信託から信託財産数億円に及ぶ信託、 自社株式の信託等、幅広く信託案件に対応。