誰でもわかる家族信託②
家族信託で何ができる?仕組みを解説

2020年10月20日

『家族信託』について、具体的にご説明していきます。

動画②は以下よりご覧ください。

【動画に使用しているテキスト】
https://trinity-labo.com/cms/wp-content/uploads/2020/09/31a6ef7da8494c08536a5b16e8e3d7b9.pdf
【参考資料】
https://trinity-labo.com/cms/wp-content/uploads/2020/09/55707a800b7b9b36bd55ccdce3259503.pdf

 

・家族信託とは

家族信託とは、「ご家族のどなたかに財産管理をじてす」方法のことを言います。
勘違いされる方もいらっしゃいますが、証券会社や銀行で販売している投資信託などの金融商品とは一切関係がありません。
家族信託というのは、財産の管理をする仕組みのことを言います。

具体的にどういう仕組みかというと、
例えば、とある高齢のお父さんが、自分が持っている財産や不動産の管理を息子に託したい!という場合、 委託者(父)と受託者(息子)の間で信託契約を締結します。そうすると、お父さんは委託者(財産託す人)として、息子に財産を預け、息子は受託者として財産の管理することになります。
息子は、託された財産を、お父さんのために使い、管理します。
ですから、お父さんは委託者であり、なおかつ受益者(託した財産の価値を受取る人)という立場にも立つのです。
家族信託というのは、委託者兼受益者(父)と受託者(息子)の二者間で締結するものなのです。
お父さんが委託者兼受益者になり、息子が受託者になる信託契約を締結すると、財産の管理を息子に任せられるようになります。
「管理を任せる」と、不動産などの名義は全て息子に名義が変わることになります。つまり、お父さんは不動産情報を調べられて、悪徳業者に狙われるなどのリスクを逃れることができることになります。
この点において、家族信託ってすごい制度なのです。

・名義が変わるってどういうこと?

参考資料(上記URL)の5ページ目に載せている不動産の登記簿をご覧ください。
元々、甲区(所有権の欄)を見ると、お父さんが平成〇年に財産を相続してきました。順位番号2番を見ると所有権移転で「平成30年3月信託」となっています。そして、子供に所有権が移転しています。これが、名義が変わるということです。

このように、名義を先に変えておけば、ご自宅を売りに出すというような時に、お父さんが介護施設で介護状態であったとしても、息子が不動産の売却・契約・登記手続きを全てできるようになるのです。
これがお父さんの名義のままだと、全てお父さんが契約をしなくてはいけません。本人が寝たきりだと出来ない訳です。
「財産の名義が長男に変わる」とはこのような効果もあるのです。

・預金はどうなるの?

次に預金はどうなるのかご説明していきます。
参考資料2ページ目に、[普通預金通帳 三井住友信託銀行]を載せています。
口座名義の箇所を見ていただくと、「〇〇信託受託者▲▲▲」という名義になっています。
これは、家族信託用の口座名義です。
お父さんの名義でも息子固有の名義でもなく、信託財産として子供が預かっているという印なのです。
次ページに、横浜銀行の家族信託用の口座を載せています。
ここでは、「〇〇委託者▲▲▲信託口」という名義になっています。(銀行によって、名義の名称が少し違います。)
息子がこの預金通帳からお父さんの介護費用などを引き出すことができるのですが、息子の固有の財産とは別です。あくまで、お父さんの財産を信託という機能で預かっているだけです。
そのため、名義を別にしています。
これが、家族信託で受託者(息子)が財産を管理していくということです。

例えば、お父さんが預金2000万円持っていた場合、手元にある2000万円を全て息子に渡して、手元のお金がなくなってしまうの?
疑問に思われるかもしれませんが、そういうことではありません。
その2000万円のうち、もしお父さんの介護が急に必要になった場合、息子がそこから1000万円は信託口座に移しておくことができます。このように、財産の一部を信託するということもできるのです。
これをすることによって、財産の凍結ということがなされないのです。

これが、家族信託の仕組みです。シンプルだけれど非常に効果の高い重要な仕組みになのです。

・家族信託のポイント

ポイントのおさらいをしていきます。
① 信託すると財産の名義が変わる

② 名義が変わっても贈与とは異なり贈与税は発生しない
通常、財産の名義を生前に変えると贈与とみなされます。贈与税は、日本の税金の中で一番高い税率の税金ですから贈与税課税されてしまいます。
ですが、家族信託で名義を変えておくと、この贈与税が1円もかからずに名義を移せます。これは、素晴らしいことです。

③ 財産から生じる収益は委託者(父)の所得のまま
預かった財産も、あくまで信託で預かっているだけなので、委託者のもののままです。
例えば、お父さんがアパートなどの収益が上がる財産を持っていても、そこから上がった収益はお父さんのもののままです。

④ 財産の管理・処分権は受託者(息子)に移る
管理・処分権というのは、介護のために必要であれば不動産を売却するなどが息子でできるということです。

⑤ 信託できる財産は不動産・自社株式・金銭
最近、ここに上場有価証券(株式・投資信託)も家族信託ができるようになりました。

⑥ 信託契約は意思能力があるうちに締結する
財産を持ってらっしゃる方が元気なうちに契約を締結するのは、これがあくまで対策だからです。
対策は元気なうちにしなければならないということです。

 

【『家族信託』のご説明③】につづく…